脳の話 [関心事]
最近、脳について書かれた本を何冊か読んだ。
その一冊の本について記す。
たぶん、この本が現在の「脳ブーム」の火付け役となった本だと思われる。切断された手足がまだあると感じるスポーツ選手、自分の体の一部を他人のものだと主張する患者、両親を偽者だと主張する青年等など、様々な患者の奇妙な症状を手掛かりに、脳の仕組みや働きを考えるオモシロイ本である。
「自己とは何か」「意識とは何か」についても言及している。かつて哲学的な問題であったがこうした問題が、現在では科学的な問題としてアプローチされていることに興味を覚えた。
自分のなかにある主観的世界観は、知覚というバイアスによって引き起こされる脳内現象に過ぎない。しかしそれは幻ではなく「クオリア」として確かに存在する。 主観と客観の違いは、「自我」と「神」の差から、この「クオリア」と「脳内化学反応」の差にまで縮められた。これが科学の進歩ということだろうか。
ラマチャンドラン氏の研究手法にも教えられることが多い。臨床という現場で、柔軟かつ臨機応変に実験や観察を進めている。こうした姿勢は是非とも見習いたいと思うのだ。
それにしても、人間の可能性には限界がないとつくづく思うのである。
ああ、面白かった!
コメント 0