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天職 [仕事師]

ある雑誌の巻頭言に稲盛和夫京セラ名誉会長の言葉が載っていた。

■与えられた仕事を天職と考える

  一所懸命に働くことが、人生を素晴らしいものに導いてくれたのです。働くことは、まさに人生の試練や逆境さえも克服することができる「万病に効く薬」のようなものです。誰にも負けない努力を重ね、夢中になって働くことで、運命も大きく開けていくのです。

  人は得てして、恵まれた環境にあっても、与えられた仕事をつまらないと思い、不平不満を口にします。しかし、それで運命が好転するわけではありません。与えられた仕事を天職と思い、その仕事を好きになるよう努力し、さらに打ち込むのです。

 そうするうちに不平不満は消え、仕事も順調に進むようになっていくはずです。そして、さらに懸命に働き続けていくことで、素晴らしい考え方や人格を自分のものにすることができ、結果として物心ともに豊かな人生を送ることができるのです。

 現代の若者を見るとき、単にお金を得るためにだけ働けばいいという風潮がはびこり、耐えるということや、努力するということには意味がないと考える人々が増えているように思われます。それが、ニートやフリーターの増加につながっているのでしょう。

 どんな困難に直面しようとも、誰にも負けない努力を重ね、いつも明るく前向きな気持ちで懸命に働き続けることで、人生は必ずや豊かで実り多いものになる――このことを、人生の先達である我々が、いまを生きる若者たちに伝えることが責務であると思います。

 

稲盛氏は、大学卒業後、松風工業というつぶれかけた会社に、ようやく入社した。
そんな稲盛氏を見て、周囲は
「稲盛はかわいそうだ。大学でよく勉強し、成績もよかったはずなのに、
オンボロ会社にしか入れなかった。彼の人生はどうなっていくのだろう」
と言っていたという。

しかし稲盛氏は、「赤字会社にしか行けないようにし、ファインセラミック
の研究開発という仕事に打ち込むしかできないようにした――
それは神様がくれた最高の『贈り物』だった」と当時を振り返る。

「そのことが挫折続きの人生に終止符を打ち、
新しい人生の扉を開いてくれた」
と・・・。

不十分な設備しかない研究室で、ファインセラミック材料の研究に、
寝食を忘れ一心不乱に打ち込んだ結果、新しい材料の開発に成功するなど、
素晴らしい成果をあげる。

しかし、新たな技術開発をめぐり、上司と対立し退社せざるをえなくなる
状況に陥る。そして、京セラの設立。

周囲の人は次のように酷評したという。

「あいつは運のない男だ。二十七歳という身空で、先行きのしれない
会社の先頭に立ち身を粉にして働いている。
あの苦労は報われるのだろうか」

そんな周囲の冷たい目にもめげず、懸命に働いた努力は報われ、
京セラは発展を続け、いまや一兆円を超える売り上げをあげるまでに
成長した。

この素晴らしい人生は稲盛氏ひとりにとどまらない。

京セラの創業期をともに必死になって働き、苦労をともにした職員が
共有しているのである。

もちろん、辞めていった人もいたが、残った人たちは、苦労を苦労と思わず、
不平不満を漏らすことなく、明るい希望を抱きながら、夢中になって
働き通した。

そんな仕事への打ち込みが素晴らしい人格を育んでいった。

当時、一緒に苦労した、どこにでもいそうな平凡な若手社員たちは、
傑出したリーダーに成長し、その後の会社の発展を支え、
いまは多くの人が幸せな日々を過ごしているという。


若いときに多くの挫折を味わい、たくさんの苦労を経験すること
――それは素晴らしい財産である。


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嵐の一日、そしてその予感・・・ [仕事師]


今日も風の強い一日だった。

わが屋も風に煽られてきしむような感じがするほど、
強い風が吹き荒れた。

外では砂埃が舞い上がっていた。

こんな日は、家の中でおとなしくしているのに限る。
下手に外にでると災難に巻き込まれそうな気がした。

そんなわけで、今日は一日仕事の残務整理と
明日からの出張の準備に明け暮れた。

今週も週初めと週の終わりに出張が入っている。
明日の朝には風がおさまっていることを祈りたい。


この一週間は、仕事の上でも大きな山場になる
かもしれないのだ。

今日の嵐はその前兆か・・・

冬の嵐の後には、さわやかな春風が待っている
(はずだ)。


そう思って、明日は旅に出るとしよう。



それにしても今日はヒラメキの多い一日であった。

なので、このブログに何かを書く気力もないほど、
頭を使っていたような・・・


今日のブログは支離滅裂だな。(←これ独り言)

もう、寝よう




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事業説明会と五輪書 [仕事師]


 昨日は自分の所属する会社の親会社への事業説明会だった。

 今年度の業績見込みや来年度に事業計画を説明し、
 親会社からの承認をとりつけるというものである。

 昨年の11月くらいから、いろいろな議論を重ねてきた経緯を
 踏まえ、昨日の会議に至ったわけだが、なんだか拍子抜けする
 くらいスムーズに、事業計画の承認をとりつけることができた。


 まあ、こちらとしても来年度はこれまで以上に痛みを伴う、
 切り詰めた事業計画を立案したので、是が非でもこの計画を
 認めていただこうという気迫が相手に伝わったのかもしれない。


 これがボツということになれば・・・


 最悪のシナリオまで想定していたのだが、
 なんとかその事態は回避することができたわけである。


 ところで、この会議に望む前に「五輪書」を読んだのだが、
 それが結構役に立ったと思うのである。

 行きの電車の中で、次のフレーズを読んだとき、
 ピンとひらめくものがあった。

五輪書

五輪書

  • 作者: 鎌田 茂雄, 宮本 武蔵
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 1986/05
  • メディア: 文庫



  ともかく、太刀をとっては、どんなことをしても敵を斬ることが
  重要である。もし敵が斬りかかってくる太刀を、うつ、あたる、
  さわるなどということがあっても、それらはすべて敵を斬る
  きっかけであると心得よ。

  受けること、うつこと、あたること、ねばること、さわることに
  思いをよせるならば、敵を斬ることはできなくなるであろう。
  何事も斬るためのきっかけであると思うことが大切である。

  ・・・(中略)・・・

  きまった形にとらわれることが悪いのである。
  よくよく工夫すべきことである。


 とにかく、事業計画の承認という一点に絞って、
 自然体に受け答えしたことが良かったのではないか。


 要するに、気合勝ちかな。


 あとは、この計画を上回る実績を上げること。
 すべての評価はそれをクリアーしてからである。

 


 今日はこれから千葉の田舎の法事で出かける。
 今週読みかけた本を片っ端から読み通してしまい、
 来週からの鋭気を養いたいと思う。

 


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 <和尚のひとりごと>
   ★★★ 朝鍛夕錬の実践 ★★★

 <キーワード>
   ・来年度のシナリオを描く
   ・稽古を積む
   ・きまった形にとらわれない
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人間は道具か [仕事師]

今週末は、久しぶりに仕事三昧の日々を過ごした。

来年度の事業計画や年末まで行っていた実証実験のまとめ、
それから今週の出張のプレゼン試料、はたまたコンサルのレジュメ作り・・・

やればやるほどやることが出てくる感じだ。

おそらく、5年前だったらかるく1カ月ぐらいはかかる
仕事をいまは実質3日ぐらいでこなしている感じだ。

多少出来栄えなど外見の品質は落ちているかも
しれないが、中味の質は下がっていないと思う。

むしろ、アウトプットの量も質も昔よりも上がっている
のではあるまいか。

と自画自賛しても誰も褒めてくれるわけではないので、
こうしてブログに殴り書きして、今日一日を締めくくろうと
しているわけである。


それにしても、私を道具に見立てた場合、
なかなか使い勝手のいい道具だと思う。

かなり無理も利くし、使い込めば使い込むほど
切れ味も鋭くなるような道具なのではないか。
(また自画自賛かよという突っ込みはなしにしてね)
(ちょっと仕事をしすぎてハイになっているので)


でも、私は道具ではない。


特に人に使われるだけの道具にはなりたくない。

自分の意思の趣くままに使える道具にはなるが、
他人の言いなりに動く道具になれない性質だ。

だから、反対に他人のことを道具と思ってこき使うことも
自分にはできない(主義ではない)。


このまえ、久しぶりにある人と酒を飲んだのだが、
この人は、完全に自分以外のまわりの人間を道具と
見て仕事をしていると感じてしまった。

心の中で、

あんたの道具にゃならんぞ!

と叫ぶ自分の声が聞こえてきた。


やはり、人間どうしのつきあいは使用する側とされる側の
関係だけでは何か割り切れないものがある。

だから、「感動」や「共鳴」が仕事のやる気や
パフォーマンスを何倍にも何十倍にもするのだろう。


ああ、今日はちょっと仕事モードが続きすぎてちと、
疲れたかな。。。

これから一杯やって、寝るとするか。
明日は早いからね。


今日は「もの言う道具」の巻きでした。。。


五輪書―サムライたちへ

五輪書―サムライたちへ

  • 作者: 宮本 武蔵, 次呂久 英樹, 高野 耕一, 藤森 武
  • 出版社/メーカー: ピエ・ブックス
  • 発売日: 2005/10
  • メディア: 単行本

自分の中に毒を持て―あなたは“常識人間”を捨てられるか

自分の中に毒を持て
 
―あなたは“常識人間”を捨てられるか

  • 作者: 岡本 太郎
  • 出版社/メーカー: 青春出版社
  • 発売日: 1993/08
  • メディア: 文庫



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コンサル業務の対価 [仕事師]

日垣隆の「売文生活」という本を読んだ。

売文生活

売文生活

  • 作者: 日垣 隆
  • 出版社/メーカー: 筑摩書房
  • 発売日: 2005/03/08
  • メディア: 新書


筆一本で生活するために、明治から平成にかけて
小説家や執筆業の収入についてかなり詳細に調べ上げた本である。

400字詰め原稿用紙1枚の原稿料が、5000円~10,000円。
その相場はこの何十年とそれほど変動ないようだ。

本を一冊書くのに、支払われる原稿料(対価)は、各人の能力や
人気の有り無しにあまり関係ないということになる。

結局、その本が売れるか売れないか、売れれば印税という形で
著作者の懐が温まるというわけである。


私は、現在コンサルタント業に携わっている。
コンサルティング業務も、人件費+経費の積み上げという形で
対価が決まる世界である。

原稿料同様、この世界の業務対価も永年ほとんど変化がない。

どんなに素晴らしい成果が上がろうとも、
また、どんなに無駄な徒労に終わるような成果しか
得られなくても、コンサルティング業務に支払われる
対価はそれほど大きく変わらないのである。

もちろん、成果のない業務は長続きしないから、
そんなコンサル業は自然淘汰されるのはいうまでもない。

いま、ここで考えているのは、成果がどんどん上がっているのに、
それに対する対価が上がらないという現実についてである。

多くのコンサル業の人が、毎日を追われる自転車操業
を強いられているように見える。



この現実に風穴を開けたい!



成功報酬型(印税型)コンサルティング業務を世に広めたい
と思うのである。

今日もそんな思いでこれから出かけてくる。


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ビジネスの目的は何か? [仕事師]

正月早々にある方からメールをいただいた。その一部を紹介する。

 今は、
 1) ご提供したいものが明確で、
 2) お客様にとっての価値があり、
 3) それを生み出す仕組みがあり、
 4) お客様との接点があれば、
 ビジネスは成立するとの仮説に至っていますが、

 当時は、こうしたことも考えず、
 「どんなサービスだったら売れるだろうか?」
 といったことばかり、考えていました。

 1)の「したい」がなかったので、カーネルサンダース
 のようにがんばることができなかったのだと思いまし、

 2)についても、売れる・売れないという結果ばかりに
 目がいって、その根本にある「価値」を考えようとして
 いませんでした。

 それにしても、環境ビジネスは2)が難しいと思います。
 ただ、新しい2)を発見できたら、ブレイクするような
 気もいたします。


このメールには、多くのヒントが詰まっていると感じた。

ビジネスの目的は何か?という問いに対する現時点での私の答え――

 ・お客さまを獲得すること
 ・長期にわたってお客さまと取引きを継続すること

いい商品であれば、いつかはお客さまが飛びつくに違いないと思って
じっと待っている。それでは商売(ビジネス)にはならない。

だからこそ2007年は商売の原点に返ってイチから出直したいと思う。

お客さまを見つけ、認知され、興味を持ってもらい、買ってもらい、
喜んでもらうという商売の原点。

事業には「経営」の前にまず「商い」がある。

経営者は、経営者である前に商売人にならねばならない。
そして、小さな企業ならでは商いを本気で行わないと会社は
すぐに立ち行かなくなる。


そのことを肝に銘じて仕事を始めよう。

 


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泥船のダンディ [仕事師]


先週から昨日にかけて、宮城、千葉、そして、愛知、東京と北へ西への移動の連続だった。移動時間や待ち時間を利用してさまざまな本を読むことができた。そのなかで次の本はとても面白かった。

アマゾンのロングテールは、二度笑う  「50年勝ち組企業」をつくる8つの戦略

アマゾンのロングテールは、二度笑う 「50年勝ち組企業」をつくる8つの戦略

  • 作者: 鈴木 貴博
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2006/10/19
  • メディア: 単行本



本の帯に次のような著者のメッセージが載っている。

ビジネスパーソンにとって、
最も重要なスキルは何だと思いますか?

質問力?コミュニケーション能力?交渉力?英語力?部下の掌握力?
いいえ、どれも答えは「NO」です。それらのスキルをいくら身につけていても、会社が泥船になって沈んでしまえば、何の意味もありません。
沈み行く会社でスキルを磨く人を、僕は「泥船のダンディ」と呼んでいます。

一番大切なのは、船を陸に上げる力、
つまり「会社自体を生き残らせる戦略力」なのです。

沈みかけた船で格好をつけている「泥船のダンディ」――この言葉にグサっと刺されてしまった。コミュニケーション力や英語力を高めようと涙ぐましい努力をしていても、乗っている船が沈んでしまえばそんな力を発揮できる場がなくなってしまう。だから、陸に上がれと著者は説く。つまり自分の会社にとって有利な土俵を見つけ、その土俵で戦え!と。それが会社の寿命を伸ばし、自己の立場を安定化させるというわけである。確かにそのとおりだと頷きながら新幹線の中で一気に読み通してしまった。

歴史や伝統があり、高学歴の優秀な社員が多い会社ほど、不利な条件を工夫して何とか乗り切ろうとする。それに対して、ベンチャーで成功している会社は、内部体制がボロボロだったり必ずしも優秀な社員ばかりではないことも多い。ところが戦う土俵がいいので利益が出ているという著者の指摘は一考に価する。

「アマゾンのロングテール・・・」のタイトルだけ見るとなんだか最近のIT関連の本と思われてしまうかもしれないが、さにあらず。取り上げられている事例がとても具体的かつ現場的で、しかもウィットに富んでいる。内容が多岐にわたり高度な話もあるが、全般的に楽しくさらっと読めてしまう。イトーヨーカドー、ローソン、コカ・コーラ、スターバックス、QBハウス、マイクロソフトといった企業の話に留まらない。小川直也やインリン様、古代ローマ陸軍、将棋の米長邦雄、珍獣カモノハシまで登場する。もちろんタイトルのアマゾンのロングテールの話もわかりやすくなるほど!という解説が加えられている。

高度な内容を難しく解説するよりも、高度な内容を噛み砕いてわかりやすく説明する方がはるかに価値がある。本書は、そのことを体現させてくれる良書である。久々にいいビジネス書を読んで爽快な気分を味わった。

と同時に、「不利な土壌」の会社にいる高学歴の優秀な人の顔ぶれが目に浮かんでしまった・・・ 

 


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アメーバ経営 [仕事師]

稲盛和夫氏の「アメーバ経営」を読んだ。

アメーバ経営―ひとりひとりの社員が主役

アメーバ経営―ひとりひとりの社員が主役

  • 作者: 稲盛 和夫
  • 出版社/メーカー: 日本経済新聞社
  • 発売日: 2006/09
  • メディア: 単行本


経営者として、そして生き方を学ぶ先達として、尊敬する稲盛氏だが、この本でもその素晴らしい経営哲学に触れることができた。アメーバ経営という言葉は、ずいぶん前から耳にしたり、目にしたりしていたと思う。しかし、なんとなくアメーバというイメージと経営という言葉が直感的結びつかず、正直、食わず嫌いをしていた。読んでみると、稲盛哲学の実践の場として、アメーバ経営がその中心に位置づけられていることが実に良くわかった。感銘するとともに、自分の仕事にもすぐ役立ててみたくなった。

これまでも、稲盛氏の著書は少なからず読んでいるのだが、系統立てた読み方をしてきたわけではない。どちらかと言えば、精神的に落ち込んだときに、ふと氏の著書を開いて、勇気を与えてもらうようなピンポイント的な読み方が主だったのだが、この本をキッカケに稲盛経営哲学をここできちんと頭の中に叩き込み、それを新年から実践してみたくなった。

家の中にある稲盛氏の本をひっぱりだしてみた。その数は10冊以上にのぼる。正月休みにこれらの本から大いに吸収したい。


ところで、「アメーバ経営」の最後の部分で、アメーバ経営を支える経営哲学について示されている。そこは何度読んでも教えられることが多い。たとえば、「値決めは経営」という項についてちょっと長くなるが、その部分を引用してみる。

大手のお客様には、先発のセラミックメーカーがすでに入っていた。そこへ生まれたばかりの零細企業である京セラの営業が行くと、「そちらの値段が安ければ買ってやろう」と言われるのがつねだった。見積りを出せば、「別の会社からこれより15%も安い値段が出ている」などと言われる。営業はあわてて見積書をつくり直して、お客様のところに持っていく。そんな駆け引きによりたちまち天秤にかけられる。

こうして、営業が15%も安い値段で注文を取ってくれば、製造はそれ以上のコストダウンをしなければならなくなり、たいへんな苦労を強いられることになる。そこで、私は営業に向かってこんな話をした。

「安易な値下げで、製造だけが苦労を強いられるのは、おかしいではないか。値段を安くすれば、注文はいくらでも取れるが、それは、営業として決して誉められたことではない。営業の使命とは、『この値段なら結構です』とお客さんが喜んで買ってくれる最高の値段を見抜くことである。これより安ければ、いくらでも注文が取れる。これより高ければ注文が逃げてしまう。そのぎりぎりの一点を射止めなければならない」

値が安すぎれば、いくら経費を削減しても採算はあがらない。高すぎれば、売れ残り、在庫の山を抱えてしまう。それゆえ、リーダーは営業の集めてくる情報をとことん調べ尽くし、市場や競合相手の動向を的確に把握したうえで、自分たちの製品の価値を正しく認識して値決めを行うべきである。値決めとは、経営の死命を制する問題であり、リーダーが全神経を集中しておこなわなければならないものである。


言われてみれば当たり前のことなのだが、実はこれができていない。そのことを痛感したのである。最近は、安値競争が激化するなかで、いかに値決めするべきか、自分の会社でももう一度原点に立って考え直さねばいけないという思いに至った。もうひとつ、別の部分を引用する。

私も、創業間もないころ、ごく少数の知的集団で会社をつくり、その知恵や技術をもとに製品を企画し、他社に生産を委託し、それを販売すれば大いに儲かるのではないかと考えたことがあった。(中略)

だが、それは一時的に成功しても、製造のコアとなるものづくりの技術が社内に蓄積できないため、品質問題を起こすなど、長期的に成功を持続することは難しい。事業に永続性を持たせ、従業員の雇用を長く安定したものにするには、やはり、付加価値を生み出す製造現場を社内につくりあげ、額に汗して、ものづくりに励むべきだと私は考えている。


これも頭をガツーンと殴られたような衝撃を受けた箇所である。これまでの自分の考え方が、かつて在籍したバブル期のゼネコン的発想から完全に抜け出ていないことを思い知らされたのだ。技術を外注して組み立てても、結局会社には技術は残らない。そればかりか、会社に残るのは頭でっかちの社内調整役ばかり・・・直営で汗を流すことの重要性をもう一度考えてみなければならないという思いを強くした。

「アメーバ経営を支える経営哲学」に示された項目を並べてみる。

  ・値決めは経営
  ・値決めとコストダウンを連動させる
  ・市場の変化に対応するには、リーダーの使命感が不可欠
  ・能力を未来進行形でとらえる
  ・事業を永続的に運営する
  ・営業と製造はともに発展するもの
  ・つねに創造的な仕事をする
  ・具体的な目標を立てる
  ・ひとつひとつのアメーバを強くする
  ・「会社全体のために」という意識を持つ
  ・リーダーは先頭に立ち、現場に任せきりにしない


この冬は、稲盛哲学を一から勉強し直したい。


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<和尚のひとりごと>
  ★★★ 稲盛経営哲学の真髄 ★★★

<キーワード>
  ・値決めは経営の死命を制する問題
  ・額に汗して、ものづくりに励む
  ・リーダーは先頭に立つべし!
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400kmの旅 [仕事師]

昨日は長距離の移動をともなう作業だった。

朝7時に埼玉を出て、午前中は横浜で作業に勤しんだ。
そして昼をはさんで、横浜の作業の成果を別の機関に
届けるため、厚木に向かった。さらに厚木から一路
栃木県の那須塩原市を目指して北上した。

東北道~首都高
~横浜・横須賀道路
~東名~首都高~東北道

最終の目的地に着いたのは午後6時半。
そして7時からの飲み会になんとか間に合った。
その移動距離は400km。
途中、一部車の運転を人に頼ったが、
ほとんど400kmを自力で運転した。

日も短くなって、なおかつ雨も降ってきて、
夕方の運転では特に目が疲れた。

昔なら、400kmぐらいの運転はへっちゃらだったが、
最近ではどうしても疲れがどっと出てしまう。

おかげで、飲み会でも最後の方は睡魔に襲われて
ほとんどグロッキー状態になってしまった。

車の運転によるストレスから一気に開放してしまった
からだろうか。あるいは、普段の睡眠不足やストレスの
影響があるのかもしれない。

正直、昨晩の飲み会は不完全燃焼だった。


車の運転はできるならしたくないのだが、
いまは車無しでは作業に支障が出てしまうから
仕方がない。

とにかく、車を運転する前後は睡眠だけは十分にとりたい。
事故を起こしたら元も子もなくなってしまうから。



そして、車の運転など考えないで済むときに
お酒はゆっくり飲みたいものである。


そして仕事でのドライブではなく、ゆっくり自転車か
できれば徒歩で散歩しながら旅をしたいものである。

神奈川自転車散歩―(横浜・三浦・湘南・富士箱根

神奈川自転車散歩―(横浜・三浦・湘南・富士箱根

  • 作者: 丹羽 隆志, 中村 規
  • 出版社/メーカー: 山と溪谷社
  • 発売日: 2005/09
  • メディア: 単行本


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コンサルティング業務の対価 [仕事師]

現在、複数の会社とコンサルティング業務の契約を交そうとしている。
会社というよりも、現実的には会社に属する個人との契約に近い。

コンサルティング業務のなかで期待する成果は、どうしても
個人の能力によるところ大なのである。特に、その人脈を通して
ビジネスを拡大するような側面が多いので、会社というよりも
個人との個別的な契約が望ましいと考えている。

今回、契約の交渉をしている方は、会社の代表者の方ばかり。
いずれもその方面では名の知れた方である。

コンサルティング業務とか、技術支援業務とか、アドバイザリー契約とか
いろいろな名称で契約を交わそうとしているが、要するにその個人の
持つ能力や人脈に期待して、お金を支払ってその能力をお借りしよう
というものである。

大きな企業では、さまざまな能力を持つ社員を全部自前で集める
ことができるかもしれないが、小さな企業ではそうもいかない。
なのでこうした人脈ネットワークやコンサル業務を通じて、
ビジネスをシェアして行くほうがはるかに効率的だ。

これからの社会は、ますますこうしたネットワークが
重要になっていくだろう。

私自身も、複数の会社からコンサルティング業務をいただいている。
その対価もピンからキリまである。

まだまだコンサルティング業務に払われる対価は少ない。
一部の経営コンサルタントは違うだろうが、まだまだ
成果に対する対価がなかなか支払われないのが
日本の現状だと思う。

コンサルはサービス(無償報酬)だと思っている企業も
まだまだ多い。正直、こういう会社ほど、対価という概念
さえ頭にない。安値で取引したもののしわ寄せを
下請けに回すだけの頭しかない。

ダンピングだけの世界である。

近い将来、こうしたネットワーク社会の構築のなかで、
コンサルティングの対価がもっと上がっていくようにしたい。

そのための仕掛け・仕組みづくりをしたいと思う。

ビジネスマンのための人脈づくりハンドブック

ビジネスマンのための人脈づくりハンドブック

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: PHP研究所
  • 発売日: 1991/05
  • メディア: 新書


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