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ウェブは自ら助くる者を助く [関心事]

 

 今日は梅田望夫の
 「ウェブ時代をゆく――いかに働き、いかに学ぶか(ちくま新書)」
 という本を読んだ。

ウェブ時代をゆく ─いかに働き、いかに学ぶか (ちくま新書 687)

ウェブ時代をゆく ─いかに働き、いかに学ぶか (ちくま新書 687)

  • 作者: 梅田 望夫
  • 出版社/メーカー: 筑摩書房
  • 発売日: 2007/11/06
  • メディア: 新書

 梅田氏は、「ウェブ進化論」以来のファンなのであるが、今回の
 「ウェブ時代をゆく」は、その上をゆく強いバイブレーションを
 感じた名著だ。

 「ウェブ進化論」「ウェブ人間論」「フューチャリスト宣言」を経て、
 「ウェブ時代をゆく」で梅田氏は確実に進化した。

 今日の午前中、短期間で読み通したので、詳細なフレーズチェック
 はこれからの作業となるが、その終章のタイトルが・・・

 

  ウェブは自ら助くる者を助く

 

 うーーん、先週のこのメルマガで、サミュエル・スマイルズの
 「天は自ら助くる者を助く」という言葉を引用したばかりなので、
 何かのシンクロニシティを感じずにはいられない。


 この本は、そのタイトルが示すようにウェブ2.0以降のことを念頭に
 書かれた本なのだが、その本質はインターネットやウェブに留まら
 ない。

 これからどう生き、どう働くのかという人生観に直結している。
 そこに示された深い洞察が、私の心を強く揺さぶるのだ。

 同世代の人間として、彼の人生観に「ブラボー!!」と
 心から拍手を送りたい。そんな気持ちになる本である。

 

 「リアルの世界」と「ネットの世界」を行き来することで、
 より良く生きる可能性が高まり、選択肢が増えるという。

 ただ、忘れてはならないことは、「ネットの世界」は「リアルの
 世界」以上に、「自助の精神」が必要だとということ。

 「自助の精神」に基づく「勤勉の継続」が、リアル世界以上に
 求められるという主張を肝に銘じたい。


  ウェブ進化の初期に現れた新しいタイプのリーダーたちに共通する
  のは、「自分が好きなこと」「自分に向いたこと」「自分がやりた
  いこと」を対象に「勤勉の継続」が自然にできる人たちであった。

  強いられて行う「勤勉の継続」とは決定的に違って、志向性と自発
  性と能動性がすべての始まりだから、彼ら彼女らにとって、勤勉は
  苦しみではなく楽しみなのである。


 私は、ウェブ進化のリーダーではないが、この考察に強く共感する。
 実はこの次のフレーズにもっと強く共感したのだが、そこは各自で
 この本を購読して確かめていただきたい。


 本書の中ほどに「これからの知的生活には資産より時間」という節
 がある(158頁)。ここに、1976年のベストセラー『知的生活の方法』
 (渡部昇一著、講談社現代新書)の話がでてくる。

知的生活の方法 (講談社現代新書 436)

知的生活の方法 (講談社現代新書 436)

  • 作者: 渡部 昇一
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 1976/01
  • メディア: 新書

 この本を梅田氏は、「生きるために水を飲むような読書」の最初の
 一冊だったと記している。

 私もこの本を大学時代に読んで、こんな知的生活を将来送ってみたい
 と思ったのが、いまの「自然体的和尚生活」のはじまりといっていい。

 確かに、これからの知的生活は、当時渡部先生が実践した理想的な
 生活様式とはかなり違ってきているのかもしれない。

 ただ、その本質は変わらないし、やり方によっては30年前より
 はるかにアプローチしやすい環境がネットの登場によって整ってきた
 ともいえる。

 要は、どの部分に知的生活の価値をフォーカスするのか、
 ライフスタイルの価値観、あるいは人生観そのものをもう一度
 問い直してみたくなってきた。


 最後に、そのヒントとなるフレーズを「ウェブ時代をゆく」から
 引用しよう。


  レールがあると思っていても、実はそのレールがどこまで続いて
  いるかなんて、誰にもわからない時代である。だから、迷ったとき
  悩んだときには、時代の大きな流れに乗った新しいことにあえて
  巻き込まれてみる。そしてそこで試行錯誤を繰り返してはその先の
  可能性を手探りしていく。

  変化の激しい時期ならではのそんな生き方も
  あんがい自由で楽しいものだ。

 


 この本、今年中にあと3回は精読したいと思う。

 

 

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 <和尚のひとりごと>
   ★★★ イチオシ! ★★★

 <キーワード>
   ・日本のシステムで息苦しい思いをしている人のために
   ・「高く険しい道」と「けものみち」
   ・生きるために水を飲むような読書、パーソナル・カミオカンデ
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