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不思議な縁 [祈り]

 

 先週末、ある方と筑波山に登った。


  師走のあわただしい仕事の合間を縫って、
  たまには山に登って、
  温泉でも入って、
  おいしい蕎麦をいただきながら
  ボーっとしたり、将来の夢を語りませんか?


 そんなお誘いを受けて、即OKと返答した。


 前日の天候とは打って変わり、その日は朝から
 抜けるような青空が広がっていた。

 つくば駅で待ち合わせをして、そこから車で
 ロープウェイの発着駅となっているつつじヶ丘に向かう。

 ロープウェイで女体山へ。
 歩いて5分で筑波山山頂にたどり着く。

 千メートルに満たない山の頂とは思えない360度の
 大パノラマがそこに開けている。

 富士山や箱根、奥多摩の山々が遠望できる。
 その手前には、都心の超高層ビル、
 その右手にはさいたま新都心のビル群。

 左の方に目を転じると、霞ヶ浦や北浦、そして水戸の先には
 大洗の海、太平洋まで見渡せる。


 関東平野を一望できるこの迫力は、必見の価値あり!!


 冷たい風を背に受けて、大きく深呼吸・・・
 しばし無の境地で山頂からの絶景を堪能した。


  ここにくると何か山のエネルギーをもらえる気がします。


 その言葉に嘘はないと思った。


 そこから同じ道筋をたどり、今度は中腹にある老舗ホテルの
 天然温泉の露天風呂に浸かる。

 すでに紅葉はピークを過ぎていたが、落ち葉が舞い落ちて
 湯面に・・・

 空を見上げれば、白い雲が透き通るような青空の中を
 自由気ままに流れていく。


 体だけでなく、心の芯まで温まっていく。

 

 ホテルを後にした我々は、さらに麓に近い隠れ家的蕎麦屋に立寄り、
 その名物頑固蕎麦を美味しくいただく。

  ここの蕎麦は、そんじょそこらの蕎麦とわけが違います。
  コシが違います。最低30回、できれば50回良く噛んで
  蕎麦の味を堪能してくださいよ!

 蕎麦屋の親父が嬉しそうに声をかけてくれた。
 近所の農家の人が野菜を届けてくれている。

  こうして近所の人の親切があってはじめて成り立つ商売です。
  特に、よそ者の私には何よりの励みになるんです。

 さらに、蕎麦湯の濃厚さにもビックリである。

  この蕎麦湯には蕎麦の数倍のルチンが含まれているんです。
  それを飲まなきゃ、バカを見ますよ。

 蕎麦と蕎麦湯で満腹になる。

 たった数時間の出来事だったが、これだけ充実した時間を
 ゆったり過ごせたことに感謝・感激である。

 帰りの車の中で、人との縁について語り合った。

  やはり人間の最大の財産は、人脈ですね。
  パーソナル・キャピタルっていうことですね。

 人とのかかわりの中で、こうしたひと時を共有できることこそ、
 確かな信頼関係が培われていく上で大切なことなのだと実感する。


 つくば駅で心からお礼を申し上げて別れを告げ、駅を後にした。

 

 

 実は、その後日談がある。

 以下は、その後、ご一緒させていただいた方への
 お礼のメールの一部である。


  ○○様

  おかげさまで、私の体に溜まっていた邪気のようなものが、
  スッキリと取り除かれてしまったようです。

  昨日は、久しぶりにぐっすりと熟睡することができ、
  今朝は少々寝坊してしまいました。

  ・・・(中略)・・・

  実はあの後、つくば駅を後にしてから、昔、現場で大変お世話
  になったYさんという方の突然の訃報が舞い込んできました。

  ・・・(中略)・・・

  昨日の筑波山で見た景色は、一生忘れられないものと
  なりそうです。

  と申しますのも、このYさんは数年前まで茨城の現場で
  建設工事に携わっておられ、休みの日によく筑波山に
  登ったことを私に話していただいた方だったのです。

  「筑波山はいい山だ」としきりに山のお誘いを受けていたの
  ですが、ついにご一緒する機会がなかったのです。

  そのYさんが亡くなられた日に、ちょうど私は筑波山の
  山頂に立っていた・・・

  何か、因縁めいたものを感じずにはいられません。
  何か、Yさんからも大きなメッセージをいただいたよう
  にも思います。

  本当に想い出深い一日となったことに感謝しています。

  ありがとうございました。

 

 

 そして、今朝、このメールに対して返信のメールをいただいた。

 

  不思議な因縁ですね。

  私も早くに亡くなられたKさんからカラオケではいつも
  「昴」をリクエストされましたが、その歌詞のなかにあるように、
  さんざめく名も無き星達の一つになっていつも見守ってくれて
  いると感じています。(ご縁があって、常に太陽の光のような
  期待と厳しい愛情を注いでいただき、あるときは北風から
  マントのように守っていただいた、かけがえのない恩師です)

  きっとどこかで見守ってくれているはずです。

 


 そう、千の風となってどこかで見守っているはずである。

 因縁とは、そんなもののような気がする。

 


 今朝、読んだ宇野千代の「天風先生座談」の
 次の言葉が私の心に飛び込んできた。


  お前は生きることばかり考えているけれども、
  生かされている方面の命を、
  どうすれば正しく生かしていけるか、
  それを考えなければ駄目じゃないか。

  生存に対する生命のバイブレーションというものが、
  絶対に必要だということを、お前は考えていない。

  お前はただ、生きよう、生きよう、と努力をしているだけだ。
  それじゃ駄目だ。

  ものの反面だけしか見ていない。
  片っぽうの大事な部分をおろそかにしている。

 

天風先生座談

天風先生座談

  • 作者: 宇野 千代, 中村 天風
  • 出版社/メーカー: 廣済堂出版
  • 発売日: 1987/06
  • メディア: 文庫

 

 

 

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 <和尚のひとりごと>
   ★★★ 生きることとは? ★★★

 <キーワード>
   ・筑波山・・・日本百名山
   ・心も体も温まる
   ・あ(案)い(因)う(運)え(縁)お(恩)
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